昨日より2025年の営業を開始いたしました。
本年もどうぞよろしくお願いします。
2014年秋にβ版としてリリースしたクラウド型Webアプリケーション脆弱性診断ツール『VAddy』は、無事に11年目を迎えることになりました。VAddyは、自社で開発から販売までを手掛けた初の製品であり、ビットフォレストにとってもチャレンジングな存在です。
リリース当初、販売やマーケティングについては手探りの状態でした。当時は脆弱性診断ツール自体が限られた業種にしか知られておらず、ターゲット層への効果的なアプローチが難しかったのです。しかし現在では、『クラウド型Webアプリケーション脆弱性診断ツール』というジャンルにおいて一定の認知を得ることができたのではないかと考えています。
そんなVAddyの成長において、PHPカンファレンスへのスポンサー参加が重要な役割を果たしてきました。2024年には「すべてのPHPカンファレンスにスポンサー参加する」という目標を掲げ、それを達成することができましたので、ここで少し振り返ってみたいと思います。
2024年に開催されたPHPカンファレンス
1月 PHPカンファレンス北海道
2月 PHPカンファレンス関西
3月 PHPerKaigi
4月 PHPカンファレンス小田原
5月 PHPカンファレンス香川
6月 PHPカンファレンス福岡
9月 PHPカンファレンス沖縄
12月 PHPカンファレンス
全てのイベントにブース出展することは叶いませんでしたが、何らかの形でスポンサーすることはできました。
個別のカンファレンスの感想などはブログやSNSにて参加者による熱量の高い投稿がされていますので、今回はスポンサー(ブース出展者)側からの気付きなどを書いてみます。
ちなみに本記事を書いているのはVAddyの営業・マーケティング担当です。
(ブースにいたロン毛の方です)
PHPカンファレンスは販促に適しているのか?
そもそも企業が何らかのイベントにスポンサーする場合、自社製品/サービスの販促が目的であることは間違いありません。直接的に潜在顧客と接触したり、自社製品の宣伝を行うことが目的です。ときにはCSR的に「コミュニティを支援する」ということもあるでしょうが、それも広義のマーケティング活動です。
その意味でVAddyがPHPカンファレンスにスポンサーを行ったのも、VAddyの販促活動の1つであることは間違いありません。
しかしながら、PHPカンファレンスが販促の場として適切かと問われると、正直微妙かなと思います。
そもそもPHPカンファレンスはビジネスを主眼とした展示会ではありません。
有志のボランティアによって運営されている自主的な勉強会です。
仕事上のポジションとして製品の購入を検討するような意思決定者である方でも、この場はビジネスから少し離れて純粋に楽しみに来られています。
もちろんそこでは自社製品の紹介や採用につながる活動をされている方もいらっしゃいますが、それらはイベントの主目的ではありません。そうした場において、いわゆる展示会で行われるようなリード獲得を目的とした積極的な営業活動を行うといったアプローチは適切ではないと考えています。
参加者たちも現場での技術動向を掴みたいとか、エンジニア間での横のつながりを作りたいとか、あるいは同窓会的なノリの方もいらっしゃいます。
そうした場において自社製品/サービスを販促すると(やりすぎると)、「ちょっと空気読めよ」というリアクションになるのでは無いでしょうか。
フィールドマーケティングとしてのブース出展
ではなぜ、VAddyがPHPカンファレンスにスポンサーをするのか?
実際に何度もブースに立って気づいた後付の理由にはなりますが、「現場の空気感を感じる」「エンジニアさんたちの課題を知る」といったことなのかなと思います。
前述した通り、VAddyはビットフォレスト初の自社開発/販売製品です。
言葉を選ばずに言うと机上のシミュレーションのみでリリースした製品です。
今だから言えますが、リリース当時は「脆弱性診断」という工程に対する開発現場の声を何も知りませんでした。案の定(?)、初めてブースに立ってVAddyの紹介をしたときのリアクションは極めて薄く、「こんな便利なツールが刺さらないなんて」と当時は少し驚いた記憶があります。」
しかしながら、回を重ねて多くの参加者と会話を進めていくうちに、開発現場における脆弱性診断の立ち位置や、エンジニアの方々が脆弱性診断に持っている印象や課題感などがうっすらと見えてきました。
例えば、VAddyのリリース当初は『開発現場で使える診断ツール』というメッセージを掲げていました。しかし、初めてブース出展をした2016年頃は、開発現場に脆弱性診断を組み込むという概念そのものがまだ浸透しておらず、エンジニアの方々にはピンと来ていない様子でした。
また、リアルな商談の場では聞けない/言えないことをざっくばらんに話せることもブースでのコミュニケーションのメリットです。実際の商談の場では「脆弱性診断なんて考えたこともない」なんて言えませんよね。
このような生の声/リアクションを集めることで、我々も機能やマーケティングメッセージ改善のヒントを得ることができます。
結果として参加して良かったのか?
前述の通り、2024年は「すべてのPHPカンファレンスにスポンサー参加する」という目標を達成しました。このプランを言い出した本人は深く考えずにノリで言っただけかもしれません。
とはいえ、結果を振り返ってみると、本当に良かったという感想しかありません。
運営の皆様、ご参加の皆様、あらためてありがとうございます。
おかげさまでVAddyの利用者も大幅に増えた結果、カンファレンス参加者(他のブース出展者)にVAddyユーザーが多くいらっしゃるようになりました。今ではスポンサーブースの役割も上述したフィールドマーケティングだけでなく、直接的なサポートの場として機能するようになっています。先日のPHPカンファレンス2024(東京)でも、VAddyユーザーの方がある機能の使い方について質問しに来てくださいました。
今年も多くのPHPカンファレンスが予定されているとお聞きしました。
さすがに数が増えすぎたので全ての回にブース出展するのは難しいかもしれませんが、「毎度おなじみのVAddy」はできる限り参加したいと考えています。
今年もどうぞよろしくお願いします。